内職と在宅ワークの違いとは

外に出ることなく、自宅で思いのままに働くことができたら、とても嬉しいですよね。自宅で働くとなると、内職や在宅ワークが思い浮かぶものですが、この2つの違いが分からないという人もいるでしょう。内職と在宅ワークは、似ているようで明確な違いがあるのです。今回は、内職と在宅ワークにおける、さまざまな違いについて説明します。

 

内職と在宅ワークの定義・仕事内容の違い

ひと昔前であれば、自宅で仕事をするとなると、内職が一般的でした。ところが、インターネットの普及にともない、パソコンなどの情報通信機器を利用した在宅ワーカーが増えています。内職も在宅ワークも、どちらも自宅でおこなう仕事であることには変わりありません。しかし、自宅で仕事をして収入を得るのは同じでも、そもそもの定義が異なります。内職と在宅ワークの違いを知ったうえで、どちらが自分に合っているのかを選ぶのが良いでしょう。

 

内職の場合は、物流会社や製造業者から委託を受けて、製品の組み立てや加工などの単純作業をおこないます。業者に雇われ、工賃を得る形となるので、立場としては被雇用者です。一方で、在宅ワークの場合は被雇用者ではなく、個人事業主として働くこととなります。クライアントから依頼を受け、必要とされる成果物を納品して、それに応じた報酬をもらう形です。在宅ワークで働く場合は、基本的にはクライアントと対等の立場となります。

 

内職で働く場合は「家内労働法」が適用され、安全面や衛生面にも配慮されるなど、労働環境が守られています。また、内職の内容によって、最低工賃額が決まっており、それ以下の工賃で働かせることはできません。一方で、在宅ワークには、厚生労働省が定める「在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン」というものがあります。しかし、このガイドラインは法律ではないので、法的な効力があるわけではありません。在宅ワークの場合は、会社に雇われているわけではなく、個人事業主なので、基本的には自己責任の世界です。クライアントとの請負契約でトラブルがあっても、業務により健康を損ねても、法律で守ってもらうことはできません。

 

内職と在宅ワークは、どちらも自宅での作業ではあるものの、仕事内容に明確な違いがあります。内職は手作業でおこなわれ、誰にでもできる単純作業が多いです。委託者から資材を受け取り、自宅で作業することとなりますが、場合によっては、自ら車で資材を取りに行く必要があります。具体的な仕事としては、パーツの組み立て・梱包・袋詰め・シール貼り・値札付け・ダイレクトメールの封入などがあり、種類が豊富です。内職は単純作業が苦にならない人、効率良く手作業ができる人に向いているでしょう。

 

一方で在宅ワークは、パソコンなどの情報通信機器を使った、在宅での仕事のことを指します。具体的な仕事としては、プログラミング・webデザイン・システム開発・ライティング・データ入力・文字起こしなどが挙げられます。内職のように体を動かす作業というよりも、頭を働かせる作業が多いのが特徴です。個人事業主として働くので、個人の裁量が大きくなります。ちなみに、web制作会社から依頼を受けて、webサイトを制作するなど、企業からの依頼の場合も在宅ワークです。企業や個人から仕事を受注し、自分で仕事量を調節しつつ働きます。在宅ワーカーとして働くには、タイピングや文書作成ソフトの使い方など、一定以上のパソコンスキルが求められることがほとんどです。

 

内職と在宅ワークの収入面での違い

内職と在宅ワークでは、収入面でどのような違いが見られるのでしょうか。ちなみに、内職で得られるお金のことを「工賃」、在宅ワークで得られるお金のことを「報酬」と呼びます。内職の場合は、簡単な単純作業であるほど単価が安く、電子部品の加工のように、技術力が求められるものの場合は、単価が高いです。納品量や就業時間に合わせて、工賃が上がっていく形となります。単価が安いものであっても、法律により最低工賃額が決まっているので、その点は安心できるでしょう。

 

一方で、在宅ワークの場合は単価の幅が大きく、クライアントとの契約次第では、かなり大きな金額を稼ぐことができます。しかし、極端に単価が低い仕事も存在しているうえ、在宅ワーカーは法律で守られておらず、最低単価の保障もありません。実績のない状態で単価の高い仕事を受注するのは難しく、場合によっては内職の最低工賃額を下回ることもあります。在宅ワークで安定して大きく稼ぐには、単価の良い仕事を獲得するための、相応な努力が必要です。

 

内職と在宅ワークでは、工賃や報酬が支払われるタイミングが異なることにも注意しましょう。内職の工賃は、作業を終えた物品が納品されてから、1か月以内に支払われなくてはならないと法律で定められています。それに対して、在宅ワークの報酬支払日は、クライアントが定める日となります。クライアントごとに支払日が異なるので、注意が必要です。在宅ワークの場合は、成果物を納品してから報酬が振り込まれるまで、かなりの時間がかかるケースもあります。早めに収入を得たい場合は、クライアントとの契約段階で、報酬支払日をよく確認しておきましょう。

 

自宅で仕事を得るなら、やはり収入面は気になりますよね。内職と在宅ワークとでは、仕事内容が異なり、求められる能力も異なります。内職の場合は、手作業をいかに手際よくおこなえるかがポイントです。作業スピードに自信がある方であれば、短い時間で多くの作業をおこなうことができ、工賃も増えていくでしょう。在宅ワークの場合は、作業スピードにくわえて、営業力も求められます。在宅ワークで大きな額を稼ぐ人は存在しますが、内職より在宅ワークの方が稼げるかというと、そうとは限りません。内職の最低工賃額と比べても、極端に少ない報酬で働く在宅ワーカーも存在します。内職と在宅ワークとでは、かかる負荷の種類も異なるので、違いをよく見極めて、自分に合った方を選ぶことが大切です。

 

ただし、内職であっても在宅ワークであっても、悪質な業者やクライアントに注意しなくてはなりません。内職の場合は、実際の作業内容が募集要項と異なっていたり、作業をしても報酬を支払ってもらえなかったりと、悪質な業者が存在します。仕事を始める前に、仕事内容をよく確認し、契約は文書でかわすことが大切です。インターネットで大量募集をしているにも関わらず、会社の実態がよく分からない場合は気をつけましょう。また、個人事業主である在宅ワーカーも、悪質なクライアントに引っかかってしまうケースがあります。特に、クラウドソーシングサービスを通さず、直接契約の場合は、報酬が支払われないリスクもあるので要注意です。

 

内職と在宅ワークを選ぶ際のチェックポイント

内職と在宅ワークとでは、どちらを選べば良いのか迷ってしまいますよね。どちらの働き方が自分に合っているのかを、ひとつずつ確認していきましょう。まず確認したいのが、手作業でコツコツ作業をおこなう方が好きなのか、パソコンを使った仕事の方が好きなのかということです。パソコンの扱いがどうしても苦手な方は、内職で働く方が簡単かもしれません。内職の場合は、手作業での軽作業が中心ですので、誰にでも始めやすいのがメリットです。納品数や作業時間の長さに応じて、収入が増えるという形となります。繊細な作業に自信がある方は、工賃が高く、技術力が求められる内職を選ぶと良いでしょう。

 

在宅ワークで稼ぐ場合は、パソコンスキルの習得が必要不可欠です。パソコンスキルがどれくらいあるかで、最初のハードルの高さが大きく異なります。パソコンの初期設定や必要なソフトの用意、タイピングの習得など、完全な初心者の場合は、まずは基本操作を覚えることから始めなくてはなりません。必要なスキルは徐々に覚えていけばよいとはいえ、安定して稼ぐには時間がかかることを覚えておきましょう。

 

内職と在宅ワークとでは、仕事の取り方にも違いがあります。内職の場合は、自治体の窓口で相談すると、委託業者を紹介してもらうことが可能です。インターネット上でも募集がされているので、情報を吟味しつつ、信頼できそうな業者を選ぶと良いでしょう。在宅ワークの場合は、クラウドソーシングサービスを利用するか、企業などに直接営業をかける必要があります。SNSで在宅ワーカーを募集しているケースもあり、あらゆる方法で仕事を獲得することが可能です。

 

在宅ワークの場合は、自宅で誰とも会わずに作業ができるものの、それなりの営業力やコミュニケーション力が必要とされます。というのも、高い単価の仕事をもらい、収入を上げていくためには、待ちの姿勢だけでは難しいものがあるからです。クラウドソーシングサービスで実績を積み、企業に営業をかけ、クライアントに信頼されることで、収入が増えていきます。逆に考えれば、その努力ができないと、収入が低いままで、時間の割になかなか稼げないケースもあるということです。この点に関しては、事前に意識しておく必要があるでしょう。

 

自宅で仕事を始めるなら、必要な環境をそろえられるかにも気を配りましょう。内職の場合は仕事を受ける前に、内職用の資材を置いておくスペースを、自宅に確保しておく必要があります。特に、マンションやアパートに住んでいて、部屋の数が少ない場合は要注意です。一度にどれくらいの資材が届くのか、資材を置いても生活空間を十分に確保できるのかを確認しておきましょう。自宅でできるのが内職のメリットとはいえ、必要な資材を車で取りにいかなくてはならない場合もあります。また、犬や猫などのペットを自宅で飼っている場合は、ペットの毛が混入しないように気を配らなくてはなりません。ペット不可の内職もあるので、注意が必要です。

 

在宅ワークを希望する場合は、パソコンを用意するほか、インターネット環境が整っているかをチェックする必要があります。スマートフォンだけで在宅ワークをおこなうのは、不可能ではありませんが、かなり難しいものです。パソコンで快適にインターネット通信ができるよう、環境を整えておきましょう。

 

在宅ワークと内職に共通するメリット・デメリット

内職と在宅ワークは、自宅でできるという点で共通していますが、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。在宅で働く場合は、ひとりで黙々と作業ができるので、人間関係に悩むことなく、自分のペースで働くことができます。会社に毎日出勤する必要がないので、行き帰りの満員電車で辛い思いをせずに済むのも大きなメリットです。会社との往復で時間を消費することなく、自宅で好きな時間に仕事をおこなうことができます。作業中も、見た目を気にせず好きな服装で働けますし、誰かの目がない分、気楽に作業できます。

 

病気やケガで外に出られなかったり、介護や育児でまとまった時間が取りづらい場合に、自宅で働くことができるのはありがたいものですよね。納期が迫っていなければ、体調が悪いときや急な予定が入ってしまったときに、自由に休むことができます。一度にまとまった時間を確保できなくても、家事や他の仕事の合間などに、少しずつ作業を進めることも可能です。会社員であっても、副業が認められていれば、内職や在宅ワークで、毎月の収入を増やすことができます。会社員の給料を一気に増やすのは難しいとしても、内職や在宅ワークで副業をおこなえば、毎月数千円、数万円と収入を上乗せすることも不可能ではありません。

 

ただし、内職や在宅ワークを始めるなら、家族の理解を得ることが大切です。自宅を作業スペースにするということで、家族の協力が必要な場面が出てくるかもしれません。納期が重なりすぎて健康を損ねたり、家族とのコミュニケーションを取る時間が少なくなるなどのデメリットもあるので、注意が必要です。また、自宅でできるのは気楽な反面、プライベートと仕事の区別がつきづらいというデメリットがあります。作業をする部屋にベッドやソファがあると、集中しづらくなることもあるので、自宅での作業環境を整えておきましょう。

 

自分に合った仕事を選ぼう

内職と在宅ワークは、自宅で働くという意味で同じであるものの、定義や仕事内容、収入面など、さまざまな違いがあります。自宅で働きたいと考えるなら、まずは2つの働き方の違いを知っておきましょう。何らかの事情があり、外で働けない人でも、自宅で収入を得る方法は数多くあります。内職と在宅ワークのそれぞれの特徴を理解したうえで、自分の適性やライフスタイルに合った方を選択することが大切です。